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2022年8月22日

大学設置基準<改正>案への大学団体・大学人の意見・見識は?


高等教育計画経営研究所 常任同人  青野 友太郎


 文科省は、7月8日に「大学設置基準等の改正省令案・特定認定大学等の認定規定案」を公表するとともに、パブコメを実施しました。8月6日に締切されましたが、ウェブサイト上では、私大協を除く国大協・公大協・私大連・私短大協等の大学団体の意見を確認することができません。高等教育学会・大学教育学会等からもありません(8月22日午前11時現在)。
 「(パブコメには)数百のコメントが提出されたらしい」「大学界隈では大問題として大騒ぎになっている」「このまま10月施行を強行させないためにも、もっと関心を喚起したい」との交流サイト(SNS)上の声(的確かつ鋭いコメント)もありますが……。
 教育基本法・学校教育法に規定されている「大学とは」の根幹が、省令レベルで根本的に変容されようとしているのに、大学団体等のこの対応は「全く理解できない」と小会KKJは「檄」を発信する次第です。
 私大協は、8月5日付の「公的な質保証システムの改善・充実に関する意見〜『大学設置基準等の一部を改正する省令案』を中心に〜」を9日にウェブ上で公表しております。A4判2頁で、見出しは下記のとおりです。

 1.大学設置基準の改正案について
  (1)基幹教員制度について
  (2)教育課程等に係る特例制度について
  (3)校地、校舎等の施設及び設備等について
 2.定員管理について

 ◇ 日本私立大学協会 トピックス「公的な質保証システムの改善・充実に関する意見」<2022.8.9>

 日本私大教連中央執行委員会は7月25日付の「大学設置基準改正案に対する見解」を同27日にHPで公表しております。

 ◇ 日本私大教連 新着情報「大学設置基準改正案に対する見解を公表しました」<2022.7.27>

 同見解は、A4判9頁にわたるものですが、下記に<見出し>を記載します。(既にご覧になっているかと拝しますが、)改めてご高読いただきたいと存じます。

 1.「@総則等理念規定の明確化」について
 2.「A教員組織・事務組織等の組織関係規定の再整理」について
  (1)大学設置基準から「教員組織」を無くすことは、学校教育法が定める教授会を大学設置基準から排除することに繋がる重大な改正である(第3条)
  (2)「教員組織」を教員と職員からなる「教育研究実施組織」に置き換えることは、大学を「大学に非ざる機関」に変質させるものである(第7条)
  (3)教授会の役割低下に拍車をかけ、大学の自治を破壊するものである
  (4)事務組織の廃止は大学運営に重大な支障を及ぼす
  (5)教員に事務職員の業務を担わせ、事務職員の削減を招く
 3.「B:基幹教員、授業科目の担当、研修等に係る規定」の「基幹教員」について
  (1)「専任教員」制度の廃止は、教育基本法の要請に逆行するものである
  (2)非常勤・任期付き教員を拡大させ、大学教員の身分のさらなる不安定化をもたらす
  (3)大学教員の人数削減や人件費切り下げが可能となり、質の保証は望めない
  (4)「基幹教員」の定義を独立した条文にせず、授業担当の条文で定義することは、大学教員の身分規定の軽視にほかならない
  (5)授業科目の担当について、学校教育法の教育職の定めを無視した条文にすることは許されない
 4.「E教育課程に係る特例制度」の新設について
 5.今後の審議について

 なお、私大連は7月1日(8月12日更新)付の文科省担当者の説明会開催の案内の中で、「私大連がこれまで要望してきた事項も一部で実現することが期待されます。」「多くの私立大学が今回の改正により新しい大学教育にチャレンジしていただきたく(……ご参加を)」とのコメントがあります。

 ◇ 一般社団法人 日本私立大学連盟 TOPICS トピックス「【8月12日更新】大学設置基準の一部改正に関する説明会の開催について」<2022.7.1>

 8月22日時点において、文科省は本件に係る「パブコメの結果」についての取りまとめと対応について公表しておりません。しかしながら、来月7日開催の大学分科会で審議を終え、10月1日施行とのシナリオです。
 小会としては、9月下旬にセミナー企画として、「大学設置基準<改正>案は、このままでよいのか」を企画・開催したいと存じます。講師・パネラー陣の候補各位について、自薦・他薦のほど、ご高配くださいませ。
 なお、本メッセージについて、ご関係の各位に転送いただけましたら幸いです。


 *現行の法令は下記をご高覧ください。
  『大学設置審査評価法令集[2020年10月版]』(小会刊)



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